地域力再生を考える その1

 小1プロブレムと呼ばれる現象においては、あらためて地域力の低下が取りざたされている。「地域力はなぜ低下したのか?」もう一度考えてみたいと思う。地域に大人たちが集っていた時代を経験した当時の子どもたちは今いくつになっただろうか?昭和40年代前後に生まれた私の世代は、夕方になると母に手を引かれて、魚屋や肉屋や八百屋を回った。傘の修理屋さんが道路に座っていたのを眺めながら、傘が壊れたらあそこに持っていこうと見るたび思い返しながらその日が来るのを楽しみにしていた。買い物する人、モノを売る人、モノを修理する人、時にはチンドン屋、地域は人々の活気と会話であふれていた。そして今、私たちの子どもの世代の見るもの。スーパーやコンビニもない。そして、数百円で買えるようになった傘を今修理する人はいない。遠くの大きなドラッグストアや大型スーパーまで家族だけが乗った乗用車で買い物へ行き、家族だけで話をしながら家まで帰ってくる。私が子どもの頃に目にした地域の風景と今の子どもが目にしている地域の風景。ずいぶんと違うものを見て育っているのだなあ。

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